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​創造Streetハラスメント規約

主宰KENSUSAKIからのコメント

創造Streetが今後も活動を続けていくにあたって、

所属メンバー、参加してくれる俳優、スタッフが気持ちよく創作に臨む為に

あらゆるハラスメントに対する考えをまとめておきたいと思います。

団体化する以前から、規定稽古後の稽古はしない、飲み会を強制しない、

身体接触を必要とする演出の際は必要最低限に留める事や事前の了承を取る事を意識して来ました。

団体の主宰で、脚本で、演出を担当する立場として、自身の発言や行動がもつ強さを意識しているからです。

昨今のハラスメントに関する告発や事件を目にし、創造Street内でも今後起こり得る可能性に目を向けました。

カンパニー内の関係が馴染み、互いの「きっとYESだろう。」に甘えてしまう可能性は創造Street内にもあります。

僕は作品の前に演出、俳優、スタッフ、関わる全ての人間がフラットでありたいと考えています。

いかにフラットな環境を作っていけるかを考え続けています。

しかし、個人間の関係は複雑です。友人であり、先輩であり、後輩であり、男であり、女なのです。

演劇は人と触れる事、関わる事を表現する芸術だと考えています。

虚構の中の現実をいかに表現出来るかを稽古場では考えます。

だからこそ、表現なのか、ハラスメントなのか曖昧になるし排除しきれない状況はあります。

ハラスメントに関する事例を排除する事を考える中で、ハラスメント意識を強く持つ事によって創作の純度が落ちる事

も危惧しています。以下に5点の項目を絞って考えてみました。

・演出と出演者には上下関係がある。

 演劇作品を作る上で、演出の意向が尊重されるべきです。

 創造Streetの稽古場で僕がよく言うのは

「意見は出してください。共に考えましょう。ただ、最終的な決定は演出である僕がします。」

 関係性をフラットにするあまり、作品が進むべき​方向性を失ってしまう訳にはいきません。

 作品全体の演出意向に沿わない意見は排除していく必要があります。

 ここで注意するべきは、相手の意見を否定する際に人格否定や聞く耳を持たない横暴な対応にならない事です。

 俳優が迷わない為にも演出が上である事は変わりません。

・出演者間で年齢/経歴による上下関係がある。

 ゲストは毎公演変わるので、所属メンバーに限って考えてみます。

 メンバー間の先輩、後輩の関係性、友人関係は変わりが無いものです。それぞれの経歴も違います。

 経験豊富な俳優が、後輩にアドバイスをする事は推奨されるべきです。

 意識すべきはそれが、自身の経験則の押しつけになってしまったり、相手の人格を否定してしまう可能性です。

 アドバイス、相談、叱咤、それぞれ持つ認識は違いますし、お互いを尊重した上で話をするべきです。

・身体接触を含む稽古/演出/ダメ出しになる場面がある。

 演劇は人間と人間の関係性を作っていきます。

 身体接触と硬い印象の言葉を使いました。

 手を繋ぐ、肩を触る、ハグ等、身体と身体を接触させる演出は必ずあります。

 脚本上、好きな人にハグする事と好きでは無いけど何かを誤魔化す為にハグをする事は違います。

 稽古場で、そう見えないのであれば、稽古としてどうすればそう見えるのか試す必要があります。

 出来ていなければ「出来ていない」事を伝え、より良い表現になる様に演出は「ダメ出し」をします。

 それが男同士であれ、男女であれ、女同士であれ、作品に必要であれば

 虚構の中でのリアルを求める必要があると考えています。

 意識すべきは俳優、演出がその必要性を理解し、過度な身体接触にならない稽古や演出にする事です。

・暴力表現/性的表現を含む稽古/演出/ダメ出しになる場面がある。

 手を払う、殴る、押し倒す、突き飛ばす、性的ワード台詞を言う、

 露出度の高い衣装、キスをする、服を脱ぐ、性行為等。

 脚本上に含まれる事はあります。ここが一番難しいと考えています。

 排除しようと思えば、完全に排除する事は可能だと思うからです。

 俳優が誰にも触れず行われる演目は沢山あります。

 創造Streetの脚本には上記に挙げた暴力表現や性的表現を含む事があります。

 人間の営みとして無視するべきではないと考えているからです。

 意識すべきはその表現が正しいかどうか、

 虚構とはいえ、稽古段階から何度も演じる俳優の認識がどうなっているかです。

 力の強い表現こそ扱いに留意していきます。

・制作/稽古/準備の目的で閉鎖空間に2名のみで作業を共にする場面がある。

 2名だから問題が起きる訳では無いと思いますが、

 3名以上になれば回避出来る可能性は高いと思っています。

 必要性とそれ以外の方法を検討した上での判断が必要です。

 演出と俳優が2名のみで稽古をする事は過去の創造Streetの活動ではありませんでした。

 今後、必要であれば「抜き稽古」を実施する可能性は0ではありません。

 2名のみでの稽古にならない為に、別の俳優、スタッフも同席する事は可能です。

 

僕自身の考えも定まりきっていません。曖昧な見解になっている部分もあります。

必要なのは「ハラスメントに安易になりえる」その事をどれだけ意識するかだと思います。

KENSUSAKI初め、創造Streetメンバーで今後も問題意識を高く持っていきます。

 

創造Streetハラスメント規約     2023/04/04

・作品の前に全ての関係者は平等で

 互いの意思/行動を尊重するべきである。

 

・人間としての尊重を欠く冗談は面白くない。

 

・着替えをする際は、その度合いに関わらず、人目につかない状態をとる。

 

・時期を問わず、私的な誘いを断る事は自由である。

 断られた事に対して互いの評価や関係を変える事はない。

 

・メンバー内での恋愛は自由である。

 

・創造Streetの活動において、解散時間や飲食の機会の有無を事前に提示する。

 

・暴力表現/性的表現を伴う出演シーンは事前説明をし、

 程度を調整した上で稽古に臨む。

 

・露出のある衣装になる場合、事前説明をし、程度を調整する。


・ハラスメントになる、なり得る事象を排除する様に努める。

 必要に応じて規約改定を検討する。














 

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